理事長挨拶 Message from the Chairperson

工業技術の発展を担ってくれることを期待する
tsuji

大阪府立大学工業高等専門学校は2011年4月から公立大学法人大阪府立大学の一組織として大学と一緒に歩んでいます。ものづくりを基盤として築いてきた50年の歴史と伝統を誇る高専と最先端の教育・研究・地域貢献をしている大阪府立大学がつながりをもったことにより、与えられた課題を自ら解決していく創造的・実践的技術者から、様々な課題を自ら見つけてその解決策を提案していく高度な研究者までを育てる高等教育が可能となり、高専に入学された方々の就職・進学の進路が大きく広がっています。
さて、我々が今日当然として使っているテレビにしてもワープロにしてもそれらが発明されたときにはこんなに普及するとは考えられていませんでした。有名な米国の新聞社も「ラジオは聞きながらいろいろな仕事をすることができるので普及するが、テレビを見ると人々はこれに釘付けになってしまう。そんな暇なアメリカ人はいない。」と書いていました。私も初めてワープロを使った時、丸1日かけてA4一枚を書くのが精一杯だったので、「こんりんざい使わないだろう」と思ったものでした。しかし、これらの予想はいずれも大きく外れました。今多くの人が仕事に使っているインターネットは私が学生時代は名前も知らず、従って、当然ながらこれを使った仕事ができるとは夢にも思いませんでした。
逆に言うと、20年後には今想像もしない道具が一般的になっていたり、今は存在しない仕事が生まれていたりすると思います。それらはどのようにして生まれるかというと、誰かが私たちのまわりの様々な現象の仕組みや本質を解明し、先人の開発した工業技術をいかに進展させるかを理解して初めて可能になるでしょう。
大阪府立大学高専に入学される皆さんにはこのような将来の工業技術の発展を担う一翼となっていただきたいと思います。一人で大きな仕事をすることは現実的ではないので、世界中の人々の多様な価値を相互理解し、地域社会のニーズを理解し、グローバルにも、ローカルにも、つながりを持って仕事ができるだけの知識と教養・情報を身につけていただきたいと思います。皆様の活躍に期待しています。

2015年4月1日
大阪府立大学 理事長・学長 辻 洋